中国TikTokをゼロから始めたマーケティング成功事例2選

新型コロナウイルス下で動画を使ったマーケティングがトレンドとなる。

新型コロナウイルスの流行により、今までのマーケティングの代替としてネットを用いたマーケティングを展開しているケースが増えてきています。

そんな中、トレンドとなっているのはショートムービーやライブコマースといった分野で、2019年には市場規模が約4千億元だったのが、2020年には約9000億元以上、2021年には1兆元規模の産業になると予測されています。

とはいえ、ショートムービーやライブコマースのマーケティングで効果を上げていくのは競争も激しくそう簡単なことではありません。

特に、今までのように広告代理店や PR 会社にそのまま丸投げするような雑がマーケティングではなかなか結果を上げていくことは難しいことは各種の先行事例からも分かると思います。

そんな中、 最近ゼロからショートムービーやライブコマースを始めたにもかかわらず、それらに効果を上げている事例も出てきたので今回はそのような事例を紹介したいと思います。

アウディーディーラーで中国TikTokのファンを10万人獲得。

新型コロナウイルスの影響により急にオンラインでの対策を迫られた業種として自動車業界が挙げられます。

新型コロナウイルスの流行に伴い、中国の自動車業界も様々な対応を迫られてきており、金融面での優遇などの販促サポートを強力にする一方、購買に最も影響力を与える「試乗」に関しても、自宅まで試乗車を届けに行くサービスなど、新型コロナウイルスの影響でも出来る限り販売を減らさないようなサービスを各社展開しています。

そんな中、あるハルビンのアウディのディーラー(哈尔滨广申奥迪)が、今年の3月より中国TikTokを使ったライブ配信を試験的に開始しました。

ただし、中国TikTokも開設したからといってすぐに視聴者が現れるわけではありません。

最初開始した時には毎回のライブ放送に大体10人から20人ぐらいの視聴者しかいなかったかとのことです。

そこでこのディーラーでは、150人以上のスタッフにライブ放送の研修を行いました。 

また、 ライブ放送のポイントとして、ここは大変重要なことなのですが KPI の設定をしませんでした。

要するに数字による管理ではなく、スタッフのアイデアを従事する方法で、アウディのブランドや文化を伝えることに舵を切り、全てのスタッフがライブ放送の方法をマスターして自主的にアウディの良さを伝えることができるようにしたのです。

その結果、始めた当初は10人から20人ぐらいの視聴者しか集められなかったのが、すぐに毎回400人か500人の視聴者を増加させることができるようになりました。

この短期間の間にファンが10万人を超えており、影響力がある程度あるアカウントの目安である1万人のファンを軽々超えています。

ハルビンのアウディのディーラー(哈尔滨广申奥迪)の中国TikTok。1万人以上のファンから影響力があると言われているが、10万人以上のファンを獲得
ハルビンのアウディのディーラー(哈尔滨广申奥迪)の中国TikTok。1万人以上のファンから影響力があると言われているが、10万人以上のファンを獲得。

コンテンツとしては例えば店舗内の様子であったり、展示された各車の紹介であったりを放映しています。また、 脚本であったり配信する内容に関しては毎回毎回きちんと整備をして放送に励んでいるとのことです。

また、ライブ放送はインタラクティブなので、視聴者とのインタラクティブ、特にアウディに対する信頼感を醸成しています。

KPIを設けるとライブ放送が「販売」に注力してしまい、視聴者が抵抗感を持つので、KPIなど数字的なノルマを課しておらず、「友達のように」視聴者と接することを心がけているとのことです。

中国においては「友達のように」マーケティングを行うということが極めて重要で、企業としてできているところというのは正直そこまで多くはないものの、各店舗だったりの優秀なスタッフはすぐに売り込まずに友達のような人間関係を作っておいて、最終的な販売だったり顧客からの紹介に繋げていくというやり方をとっています。

ただ、各スタッフがそういう動きをしているわけで、中国はどうしても拝金主義的なところがあるので、企業全体でそのような「顧客中心の動き」をしているところは少ないという現状は理解しておいた方がいいでしょう。これは株主だったりといったところの短期間での売上や利益に対するプレッシャーが極めて強いということも背景事情としてあります。

いずれにせよこのようなライブ放送が売上にも良い影響を与えており、このライブ放送から30車両以上、金額にして数千万元の売上を上げたという点で、マーケティング的には成功したということが言えるとのことです。

建築業界で中国TikTokを活用、収入の70%は中国TikTokからの経由に。

二つ目の事例としては建築業界の事例です。

農村地区への旅行は近年中国で人気が上昇しており、その農村地区の民宿のリノベーションもホットな話題となっています。その民宿のリノベーションだったりセミナーをしている会社が新型コロナウイルスの影響でライブコマースによるセミナーに切り替えたところ中国TikTokからの収入は20万元から30万元近くとなり、クライアントを70%を中国TikTokから獲得することに成功しています。

元々、中国TikTokでショートムービーの配信はおこなっていましたが、ライブ放送でのセミナーを開催すると、1日で11万人のファンが増加したこともありました。 

クライアントの70%を中国TikTokから獲得することに成功
クライアントの70%を中国TikTokから獲得することに成功。

また、ライブ放送やライブコマースの成功のポイントは、企業の社長であったり責任者クラスがきちんと放送を行うというところが重要ポイントです。

予算を潤沢に持っている企業であればインフルエンサーを起用するという手もありますが、インフルエンサーの起用では売上や視聴者数が過大に出てしまうという点が一つ大きな課題としてあります。例えば有名インフルエンサーのライブコマースにおいては40%程度の返品が出てしまうという現実があります。

また、 インフルエンサーの放送はインフルエンサーのファンが見ているものであり、 なかなか自社ブランドへのファンの転化が進みにくいという課題もあります。

そう言った意味では、きめ細かく内容を調整しながらマーケティングの企画を実行していくことが必要なのではないかというふうに考えます。