
中国ではオウンドメディアを用いたマーケティングがより重要になってきている。
さて、最近の中国のマーケティングではよりオウンドメディアの活用が重要となってきています。
それこそ20年前は、例えば有名なテレビ番組にテレビ広告を展開するだけで認知度を獲得し物が売れた時代もありましたが、今は4マスと言われている伝統媒体、テレビ、雑誌、ラジオ、新聞の広告効果はかなり薄れてきており、大手企業でもこのようなマス広告を行わないプロモーションを全く行わないことも多いです。
中国のオウンドメディアといえば当初は公式ウェブサイトとWeiboくらいしかありませんでしたが、その後、Weixin、今日頭条、bilibili、中国TikTokなど最近話題のショートムービーやライブコマーズなどを含めて急速に充実してきています。
とはいえ、このオウンドメディアも各メディアによって特徴が分かれています。
例えばWeiboはショートメッセージ、Weixinや今日頭条は比較的長い記事、bilibiliは比較的永い動画、中国TikTokやbilibiliはショートムービーやライブ放送などです。
これ以外にも、例えばタオバオやTMALL天猫はEコマースプラットホームにもかかわらず、ブログやライブコマースなどSNSサービスを強化していたり、オウンドメディアで情報発信していくというところが中国では今最大のトレンドとなっています。
また、業界別の SNS というものも隆盛を極めており、例えばインバウンドマーケティングにおいては、旅行専用のSNS「旅游攻略(旅行攻略)」でのマーケティングを行うことが基本となってきています。

そのように増え続けるオウンドメディアや SNSに対してどのような対応をとっていったら良いのでしょうか。
当然各プラットフォームにはそれぞれ特徴があるので、その特徴を把握して最適なプラットフォームを選択していく必要があります。
今回は「尋空」で主要プラットフォームの内容についてまとまっていたので、その内容について紹介していきたいと思います。
主要都市に強いのは「Weibo」「bilibili」、発展途上都市に強いのは「快手」「一直播」、「Wechat」は全方位的に強い。
例えば尋空では、主要プラットフォームの属性を下記のようにまとめています。

これによると、主要都市に強いのは「Weibo」「bilibili」、発展途上都市に強いのは「快手」「直播」となっています。(筆者注 : 表では「直播」となっていますが、恐らくこれは「一直播」のことではないかと思います。)
また、中国TikTokは主要都市に強いが発展途上都市にも影響があり、Weixinは全方位で強いと言う分析なっています。
個人的な感覚でさらに補足すると、WeiboはSNSの影響力としてはやや弱く、中国TikTokはハイエンド層にやや弱いと言うイメージがあります。
逆に文章や共有機能が強いWeixinは簡単にはファンは増えていかなかったり、外部連携は弱いものの、日系ブランドのような高品質なブランドのPRには最も強いというふうに感じています。
とはいえ、Weiboは最近タオバオやTMALL天猫との連携が強く打ち出されて持ち直しているのと、中国TikTokもタオバオやTMALL天猫との連携が強いので、あくまで程度の問題ではありますが。
また、各プラットフォームの使い勝手とコンテンツの理解の容易さは下記のような分析になります。

要するに動画形式の方がより内容を理解しやすく、WeixinやWeiboのような文章形式だとより内容が理解しづらい、またWechatは情報発布+管理機能+ミニプログラムが使えるため、使い勝手は良く、中国TikTokもユーザー向けサービスが充実しているので、使い勝手の良い部類のSNS であるということがいえます。
ただこちらも補足すると、 WeChatは長い文章で見せる分、逆に教育レベルが高い人により好まれるプラットフォームだということが言えます。確かに中国TikTokはショートメッセージで各アカウントとも分かりやすくPRをしようとしていますが、 WeChatに比べて「暇つぶしアプリ」という使い方になってしまっており、ハイエンド層にはちょっと敬遠される、要するに「若干幼い」SNSになってしまっていると言う現状があります。
5G時代を向かえて動画SNSを上手く使っている事例
とはいえ、5G時代を迎えにわたって動画を使ったマーケティングプロモーションは今後も伸びてくるというふうに考えます。
例えば、現在うまく中国TikTokを使っている企業アカウントとして携帯電話の「小米」「アリペイ」「ベンツ」医療アプリの「丁香医生」などがあげられます。
なので、ショートムービーを使ったプロモーションを行う場合には、 まずはこれらの評判の良いアカウントの先行事例を研究しておくのが良いでしょう。

その他SNSプラットフォームの使い方として「Q&A」SNSに公式アカウントを設置する事例を紹介しておきます。公式アカウントからユーザーの質問や疑問に答えることで、ユーザーのとのつながりをより強化することができます。
例えばアウディは「Q&A」SNSの「知乎」に公式アカウントを開設して、自らユーザーの質問に答えることで、ユーザーの悩みに真摯に答える企業として一時期話題になりました。

このように中国のオウンドメディア、 SNSは種類が豊富にあるため、なかなかどのプラットフォームにということをやったらいいのか分かりにくいと思います。
すでに中国においては、数多くの成功事例があるので、まずはそのような成功事例を参考にしながら、最適な SNSプラットフォームを選んで、マーケティング企画を立案していくのが良いでしょう。