
4マス媒体に代わり、インフルエンサーを活用したSNSが隆盛を極める。
中国においては、「伝統媒体」と呼ばれる4マス媒体、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌の費用対効果がどんどん無くなってきており、ネットを始めとしたニューメディアに依存する傾向があります。
そんな中、中国ではインフルエンサーが専門職として確立し、その中でも成功したインフルエンサーは莫大な利益を得ています。
例えば、「罗永浩」の最低補償金は60 万元、「李佳琦」の最低補償金は 23~42 万元です。
TOPインフルエンサーは稼げるが競争も熾烈で過酷だ。
通常、インフルエンサーは手配を行うMCN会社に所属しています。ただ、インフルエンサー自体の入れ替わりも激しく、MCN会社も極小の(通常は1名の)インフルエンサーに依存する体質のため、なかなか業界として利益を生み出す体質になっていません。
1晩で100万元以上の利益を上げるとも言われる李佳琦も、本人は稼いでいるものの、MCN会社はそこまで利益を上げていないと言われています。
まずは、インフルエンサーの生活も大変過酷です。
例えばトップインフルエンサーは、毎日のように7~8時間もの間、休みなくライブコマースを展開しています。
もし1日でも休めば、ユーザーは他のインフルエンサーの番組を視聴してしまうため、ファンを繋ぎ止めるために簡単に休むこともできません。
なので、インフルエンサー業の新人は1年持てば良い方で、大体は2日間ももたずに辞めていくとのことです。

サクラが紛れているなど費用対効果が良くないと言う問題も。
また、マーケティングにインフルエンサーを起用しても一筋縄ではいきません。
1つにはどのインフルエンサーもつきものの問題として、少なからず「サクラ」のファンが含まれていることです。
中国のマーケティング業界では「本物のインフルエンサー」「偽のインフルエンサー」と呼ばれる隠語もあり、サクラ問題は皆頭を悩ませています。
サクラが含まれていることで、正確にインフルエンサーの実力が読みづらくなっています。
2つには上記とも多少関連しているのですが、返品が多く赤字を出すケースも多いことです。
例えばトップインフルエンサーの場合でも、60%(!)もの返品がある場合があり、クーリングオフ期間が終わるまでは全く気が抜くことができません。
インフルエンサーを使ったライブコマースは盛況ですが、このように儲かるのはインフルエンサーだけと言われています。
しかも、そのインフルエンサー自体も競争は激烈で入れ替わりも激しく、ある意味ダイナミックな中国のマーケティングの現状を反映しているとも言えます。
なので、インフルエンサーを用いたマーケティングを展開する際は、そこだけで製品を売るだけでなく、あくまで顧客を獲得する手段の1つとして、過剰な期待をせずに、複合的なマーケティングの1つの手段として捉えて実施していくのが良いでしょう。